IEC 62680準拠が鍵?欧州USB Type-C義務化について解説
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欧州へ出荷する製品に、USB Type-Aやmini-B、micro-Bを採用していませんか?
EU圏に長期供給する製品に外部インタフェースや充電機能を設けるなら、見逃すわけにいかないのが「欧州Type-C義務化」です。
ポータブル製品の欧州への出荷に向けて、いつまでに何をすると良いか、おすすめ対処法を具体的に検討していきましょう。
1. USB Type-C充電義務化とは?
USB Type‑C充電義務化は、欧州連合(EU)圏内で販売されるポータブル電子機器に対し、有線充電端子としてUSB Type‑Cの採用を義務付ける規制です。本措置は、2022年10月4日に欧州議会で可決され、その後同年10月24日にEU理事会で最終承認されました。規制は2022年12月27日に発効し、対象となるポータブル機器については2024年12月28日からUSB Type‑C搭載が義務化されました。
USB Type‑C充電義務化に対応するには EN IEC 62680に準拠する必要があります。また、急速充電に関しては、15Wを超える充電に対応する機器にUSB Power Delivery(USB PD)のサポートを義務付けることで、ブランド間で充電速度が不統一になることを防ぐ仕組みが導入されています。
本規制により、ユーザは充電器を使い回すことが可能となり、利便性向上とともに急速充電技術の統一が期待されています。さらに、デバイス購入時には充電器を同梱するかどうかを選択できる「アンバンドリング(同梱分離)」が義務化されており、パッケージには「充電器の同梱有無」および「必要な充電電力」を明記する必要があります。環境面でも大きな効果が見込まれており、EUは本規制により年間約11,000トンの電子廃棄物削減と、年間2.5億ユーロ規模の消費者負担軽減を見込んでいます。
移行スケジュール

2. USB Type-Cによってできること
USB Type-Cは充電だけでなく、データ通信、映像伝送など様々な用途で利用可能な規格です。
USB Type-Cを採用することにより、以下のようなメリットが得られます。
- コネクタの種類数を減らすことが出来るから筐体を小さくできる
- 充電・データ通信・映像伝送を1ポートで賄うことが出来るため、用途ごとに設けていたコネクタ種別を統一することが可能です。
- HDMI, DisplayPortと言った映像伝送ポートの標準コネクタよりサイズが小さくなるので、筐体を薄く・小さくすることも可能です。
- 画像・動画転送速度の向上
- USB Type-CはUSB 3.2 Gen2x2(20Gbps)、Thunderbolt4(40Gbps)に対応している為、データ通信速度の向上が見込めます。
- 急速充電が可能になる
- USB Type-CにすることでUSB Power Delivery(USB PD)に対応可能となるので、最大 240W(USB PD3.1)の急速充電が可能です。
- micro-Bなどと比較すると表裏がないので、挿抜時のコネクタの破損が減る
- USB Type-Cでは、従来のUSB(USB A, mini-B, micro-B etc)で課題であった挿抜向きを解消しており、表裏どちらでも挿抜可能です。

USB PDに関する記事もご用意しております。本記事の内容と合わせて、ぜひご覧ください。
3. 対象機器とUSB Type-C充電義務化の要求内容
対象機器
- 対象機器① 2024年末に義務化された機器

- 対象機器② 2026年春に義務化となる機器

USB Type-C充電義務化の要求内容
| 要求内容 | 詳細 |
|---|---|
| コネクタ・充電規格 |
|
| 充電器非同梱での販売と表示 |
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| 充電仕様に関する情報提供 |
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4. 今後の動向とまとめ
近年は iPhoneをはじめ、携帯扇風機やイヤホン、モバイルバッテリなど身近な家電・デバイスでもUSB Type‑Cの採用が急速に広がり、日常生活の中でもUSB‑Cが一般的な規格として定着しつつあります。こうした流れを後押ししているのが、EUが進めるUSB Type‑C充電義務化です。
今後は、無線充電の標準化や充電器非同梱化の更なる検討が進められ、EUはワイヤレス充電の進化に関する調査も予定しています。 また、本規制は世界にも波及し、インド・台湾・米カリフォルニア州などでもUSB‑C義務化の動きが進んでいます。 これにより、USB‑Cが国際的な標準としてさらに定着し、電子廃棄物削減と消費者利便性向上が一層進展することが見込まれます。
以上、USB Type-C充電義務化の対象機器、適合に向けたスケジュールについてまとめてみました。
対応方法でお困りの方は、ぜひお問合せフォームよりご相談ください。
(執筆者:木庭 正博)






