【工場見学レポ】タカハ機工のものづくり力を支える、快適な職場環境とソレノイド技術
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- 更新日
- 公開日
- 2025.01.21

ソレノイドメーカ「タカハ機工株式会社」の工場に訪問させていただきました。タカハ機工株式会社は1979年の創業以来、ソレノイドを主に製造、販売する機械系メーカです。ソレノイドの製造だけでなく、ものづくり関連のイベント開催、社会貢献活動やスタートアップ支援など、幅広い取り組みを行っています。今回の工場見学では、そうした取り組みを実際に紹介します。
1.きっかけは…ソレノイドコンテスト

タカハ機工株式会社では、毎年タカハソレノイドコンテストというイベントが開催されており、数々のユニークな発明が応募されています。11回目となるこのコンテストに、リョーサンのエンジニアが「AIロボットじゃんけん」を応募したところ、以下の点を高く評価いただき、「いいね!賞」 を受賞することができました。
- AIとソレノイドの組み合わせが初めて!
- AIが相手のじゃんけんパターンを学習し、勝負すればするほど強くなる!(まるでサ○ヤ人のようだ)
- 子供が大喜びすること間違いなし!
このコンテストをきっかけに、タカハ機工株式会社の大久保社長や広報部 茶園さんとのご縁をいただきました。このご縁から、工場見学にご招待いただく貴重な機会を得ることができました。
2.ソレノイドとは?
ソレノイドは、モータの様なアクチュエータ部品の一種です。通電することで「押す」、「引く」という直線的な駆動をします。仕組みとしては、通電時には、コイルから発生する電磁力が磁性体を引き寄せます。非通電時には、戻しバネによって、引き寄せられた磁性体が元の位置に戻ります。身近なユースケースでは、電子錠やバルブの開閉、硬貨の仕分けなど、様々な用途に使用されています。

3.タカハ機工株式会社について
タカハ機工株式会社は、ソレノイドを主に製造する機械系メーカです。福岡県に所在地を持ち、創業時から一貫生産体制(※)により、低価格、高品質、短納期を実現しています。本社は、生産工場やMVP ROOM、託児所など、6棟にも及ぶ施設が併設されています。
※社内で全ての部品を設計、開発、加工、生産する体制
4.タカハ機工株式会社を訪問して感じたこと
本社・事務所

入り口には、製造しているソレノイドやキットや、製造に携わっている製品のカプセルトイ等の展示が並んでいました。電源を入れる事で一斉に動き出す為、かなりの迫力がありました。事務所内は、明るく清潔な環境で、「トイレを癒しの空間にする」というコンセプトを打ち出し、月替わりで模様替えするなど、斬新かつ細やかな取り組みを行っていました。従業員の方だけでなく、来社される方にも、過ごしやすい環境となっていました。
第一工場(巻線・コイル/組立)

第一工場では、コイルの巻き付けと組み立てを行っていました。組み立ての工程は全て手作業で行っており、装置には独自の安全設備が備えられていました(※)。組み立てのラインはかなり整備されており、効率よく製造する仕組みが整っている印象でした。
※巻き込み防止を目的に、機械の左右に配置されるボタンを同時に押下しないと動作させないなど
生産技術棟(金型/治具)
大型のワイヤ放電加工機(※1)やNCフライス盤(※2)が並んでおり、金属塊の加工を行う施設でした。当日は稼働していませんでしたが、金型や治具を作成されている様です。
※1 ワイヤ放電加工機:ワイヤ線に電圧をかけ、糸ノコの様に用いることで、加工物を非接触で溶断します
※2 NCフライス盤:機械部品や金型といった、金属を複雑な形に切削加工する際に用います
第二工場(成形/プレス/切削)

6つの施設の中で最も大きい施設であり、様々なサイズで素材部品を加工できる装置が揃っていました。プラスチックの成形や金属のプレス加工、切削を行うことで、部品を作成する工場でした。
MVP ROOM

「MVP ROOM」は量産や製品化を目指すベンチャー企業を支援する施設です。3Dプリンタや3軸切削機などの装置が揃っており、新しい技術開発の為に活用されている施設でした。3軸切削機で製作された「無数のボールが絶対に当たらない」というアート作品は、いつまでも見ていられる面白さがあります。
※MVP ROOMの詳細についてはこちらを参照ください
TIP(TAKAHA INNOVATION PARK)、託児所

TIPはレーザーカッタ、UVプリンタ等の装置があり、ノベルティなどのオリジナルグッズを受注製作する施設でした。少量生産であっても高品質を実現する技術力、顧客に寄り添った姿勢が印象的でした。また、TIPには企業内託児所が併設されており、従業員の子育てを支援しています。従業員の働きやすさを大切にしている姿勢はとても感銘を受けました。とても素敵なことだと思います。
5.まとめ
タカハ機工株式会社の工場見学では、想像していた工場のイメージとは異なる発見がありました。単なる製造現場ではなく、「人を大切にする企業文化」 が随所に感じられ、特にトイレや託児所の整備といった従業員の働きやすさを重視する姿勢が印象的でした。工場はスタッフ一人ひとりが、生き生きと働いている様子が見受けられました。
また、工場見学の案内を担当していただいた茶園さんの丁寧な案内のおかげで、工場や製品の魅力を深く理解できました。見学中の質問にも一つ一つ丁寧に答えてくださり、工場の魅力だけでなく、タカハ機工株式会社の製品や取り組みについて、解説いただきました。
タカハ機工株式会社の工場は、単に製品を作る場ではなく、技術革新と人を大切にする企業姿勢が融合した場であり、同社の魅力を象徴していると感じました。見学を通じて、製品の品質はもちろんのこと、その背景にある企業文化や働く人々の熱意が支えていることを改めて理解しました。
タカハ機工株式会社 大久保社長(写真右端)、茶園さん(写真左端)、リョーサン 藤田(中央右)、齋藤(中央)、橋本(中央左)
見学風景:
(執筆者:齋藤 智弘、橋本 裕太、藤田 慎之介、編集者:伊藤 正博)