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展示会、ついて行ってイイですか? ~コンテンツ東京2023~

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  • 更新日
  • 2023.10.04
  • 公開日
  • 2023.07.06

 自社製品開発をしているエンジニアが、自社製品の商品企画検討の為に展示会(コンテンツ東京2023/先端テクノロジー展)を訪問してきました。

 展示会訪問準備から展示会場で得られた情報をエンジニア目線でレポートします。今後のリアル展示会訪問の参考にしてみてください。

1. 訪問者略歴

 2002年入社、半導体のサポート/評価環境の開発を経験し、現在は自社製品(液晶ユニット)の開発を行っています。
 自社製品の企画検討も行うため、トレンド・最新技術情報入手の為に展示会に訪問しています。

2. 情報収集の仕方

 展示会情報の収集方法は以下の3通りです。

  1. RX Japan等展示会主催者からの展示会案内のDM
  2. IT media等のweb掲載広告
  3. 仕入先・顧客の出展情報

 展示会主催者からの案内は、過去に訪問したことのある展示会情報をベースに送られてくるので、“定期的に訪問したい”、“自分から探しに行くことは無いが、直近の展示会開催情報は欲しい” と言う方には有用です。
 仕入先・顧客の出展情報は、既に紹介されている製品が出展されていることが多いですが、“展示会の為のデモ・実機展示”、“仕入先・顧客の競合製品確認・市場動向” を確認する際に有効な情報となるでしょう。
 自社業界関係の展示会の場合、“競合他社の動向”、“業界動向”を把握することが可能です。
 今回は当社仕入先の株式会社アスカネット様からの出展案内を、同僚から展開いただいての訪問となります。

3. 自身の仕事と展示会の紐づけ方の関連の説明

図1. 会場マップ
図1. 会場マップ

 展示会訪問前に展示会の開催概要・カンファレンス情報・出展社情報・会場マップを確認します。
 今回訪問する“CONTENT TOKYO”は、以下の専門展で構成されています。

  • ライセンシング ジャパン
  • 映像・CG制作展
  • クリエイター EXPO
  • 先端デジタル テクノロジー展
  • 広告クリエイティブ・マーケティング EXPO
図2. 展示会HPの出展社情報
図2. 展示会HPの出展社情報

 日程の都合上、カンファレンス聴講は見送りましたが、どうしても聴講したいカンファレンスがある場合は、カンファレンス日時をベースに訪問日程を調整するか、聴講可能同僚に依頼することもあるでしょう。
 今回の訪問目的は“先端デジタル テクノロジー展”です。 先にご紹介した株式会社アスカネット様が空中ディスプレイを出展されています。また、同様の3D表示や非接触技術を出展されている競合社も複数見受けられます。私の担当している液晶ユニットの新企画の参考として、以下のブースを拝見してきます。

アスカネット :
色あざやかな映像を空中に投影することができるASKA3D

エヌジーシー :
3D立体視対応の最新LEDディスプレイ

コーンズテクノロジー :
Ultraleap社の非接触技術

Droots :
3Dホログラムディスプレイ

レッツ・コーポレーション :
裸眼3Dディスプレイ、長距離無線ネットワーク機器

4. 実際に訪問したブースの情報

 5つのブースを訪問予定に上げましたが、今回は特に興味を惹かれた2社に絞ってレポートさせていただきます。

4-1. アスカネット

CK000217_TechnoFrontier_03.jpg
図3. ASKA3Dプレート イメージ

事前調査で確認出来たこと

  • 液晶ディスプレイに組み合わせて3D表示化するプレート(ASKA3Dプレート)を出展予定
  • ASKA3Dプレートは液晶ディスプレイに対して傾斜を持たせて設置することで表示を投影することが可能

実際の展示内容/入手出来た情報

  • 液晶ディスプレイに組み合わせることで3D表示化するプレート(ASKA3Dプレート)を展示
    • 32inchワイド液晶ディスプレイを3画面使用した壁面サイネージ
    • 21.3inch液晶ディスプレイと赤外線センサを組み合わせた3D非接触操作ゲーム
    • 60inch液晶ディスプレイと組み合わせた等身大3D表示などを展示
  • 製品ラインナップ
    • 3Dプレートは樹脂製とガラス製の2種類あり
    • ガラス製は透過率50%程度で輝度300~500nit程度の液晶ディスプレイで使用可能
    • 樹脂製は透過率20~30%程度で1,000nit以上のディスプレイとの組合せを推奨
  • 図4. 壁面サイネージ
    図4. 壁面サイネージ
  • 図5. 3D非接触ゲーム
    図5. 3D非接触ゲーム

    斜め前から見たところ(左図)
    表示内容が投影されて見える
    赤外線ラインセンサとの組合せで非接触操作が可能
    3Dプレートと視線を平行にすると、投影は見えなくなる(右図)

  • 図6. 等身大3D表示
    図6. 等身大3D表示

展示物に対する意見・感想

 投影面に対して垂直に視線を向けた条件が投影画像が最も見える角度となり、角度が変わると見えづらくなる 希望としてはASKA3Dプレートと視線を平行にしても投影画像が視認出来るものでしたので、希望通りの用途とするには設置条件の見直しが必要となりました。
 ガラス製プレートは解像感は落ちるが輝度300~500nit程度の液晶ディスプレイで使用可能と言うことで、当社液晶ユニットとの組合せての見え方を確認したいと感じました。

4-2. コーンズテクノロジー(Ultraleap社, Dimenco社)

事前調査で確認出来たこと

  • Ultraleap社製非接触技術
  • Dimenco社製裸眼3Dディスプレイ

実際の展示内容/入手出来た情報

  • Ultraleap社製非接触技術
    • 赤外線カメラを2つ搭載したモーションセンサ、現行品(Ultraleap 3Di)・新製品(Leap Motion Controller 2)の2種類を展示しており、新製品は現行品より一回り小型化
    • USB経由でPCに接続し、PC側で判定処理を行う
    • 3Dハンドトラッキング対応ソフトウェア Ncop3Dで手の動きを検出、デモ展示では手指の位置だけでなく骨格検知もしており、検知精度の高さが伺えた
  • Dimenco社製裸眼3Dディスプレイ
    • レンチキュラーレンズを使用した3D液晶ディスプレイ
    • 3D液晶ディスプレイは、表示映像の3D対応処理にディスクリートGPUを使用しており、PCの表示として使用することを想定している
    • 既に海外製のクリエイター向けPCで採用実績あり
  • 図7. Leap Moton Controller 2 と 裸眼3Dディスプレイ
    図7. Leap Moton Controller 2 と 裸眼3Dディスプレイ
  • 図8. Ultraleap 3Di と Ncop3D
    図8. Ultraleap 3Di と Ncop3D

展示物に対する意見・感想

 Ultraleap社製非接触技術を中心に展示内容を確認しました。
 新製品は小型であることを活かして、首掛けやVRゴーグルと組み合わせたウェアラブルでの使用も提案されており、センサ正面方向での操作は違和感なく行えたが、センサ側面での検知が出来ない(センサの検知角度は160°)為、ウェアラブル使用時は設置位置含めた検討が必要と感じました。
 その他、以前に展示していた非接触ハプティクスは、製品開発に使用可能なモジュール化を目指して開発を進めていると言うことで今回は展示が無かったが、非接触操作で課題となる操作感へのアプローチとなる製品なので、今後の開発に期待したいです。

5. 自身の仕事に今後活かしていきたいブースの内容

 既存の液晶ディスプレイと組み合わせて使用可能と言うことで、アスカネットの3Dプレートは使いやすく感じました。壁面に液晶ディスプレイを埋め込んで壁沿いに歩きながら投影表示が見えることが期待でしたが、この点は残念でした。展示会で実際に見え方を確認できたことで、課題も見えたと思います。設置条件の工夫で使い方を見いだせないか検討していきたいですね。当社液晶ユニットの組合せ検討含めて、アスカネットとは打ち合わせを持ちたいと思います。
 コーンズテクノロジー(Ultraleap)のモーションセンサも前述の3Dプレートを使用した3D液晶と親和性が高いと感じましたが、非接触ハプティクスとの組合せで用途が広がると思われるので引き続き注視したい技術です。モジュール化を目指して開発を進めていると言うことでしたので、継続的に情報交換したいと思います。

6. まとめ

まとめ

 今回の展示会で実際のデモを見ることで、実際に使用イメージや課題を確認することが出来ました。実際に展示会に行くことは時間・費用的に厳しい方もいらっしゃると思います。最近はバーチャル展示会などもありますが、可能であれば希少な実機展示の機会に視察に行かれることをお奨めします。
 当サイトのイベントページには弊社の出展している展示会情報を掲載しています。宜しければ、今後の展示会視察の参考としてください。

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