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蓄電池でクリアする、太陽光発電の需給バランス問題【補助金アリ】

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  • 更新日
  • 公開日
  • 2024.05.31

 地球温暖化対策として、脱炭素社会やカーボンニュートラルに向けた取り組みが加速しています。電力分野においては、GX(グリーン・トランスフォーメーション)と題して、温室効果ガスを排出しないグリーンエネルギーへの転換が提唱されています。太陽光、水力、風力、地熱などをエネルギー源とした発電が挙げられますが、最も一般的に広まっているのは太陽光発電です。
 本記事では、製造業の工場などでサステナビリティ向上やSDGsに取り組んでいる方に向けて、太陽光発電の動向や課題、解決方法についてご紹介します。

1.カーボンニュートラル実現に向けて、導入が進む太陽光発電 

 日本は、2050年カーボンニュートラルを目指すと宣言しています。カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることです。「全体としてゼロにする」という表現は、温室効果ガスの排出量から植林や森林管理による吸収量を差し引いて、合計を実質的にゼロにすることを意味しています。カーボンニュートラルの達成のためには、温室効果ガスの排出量の削減と吸収作用の保全強化が必要です。

 温室効果ガスについては、主に二酸化炭素(CO2)の削減が求められます。CO2の排出を産業部門別に分けると、電力由来の産業が最も大きな割合(37%)を占めています。CO2排出の多い化石燃料による発電を最小限に抑えて、再生可能エネルギーを最大限導入していくことが必要です。

 再生可能エネルギーにも様々な種類がありますが、日本では性能とコストや政策的な後押しの背景から、太陽光発電の導入が増え続けています。

太陽光発電の国内累計導入量の推移
(TAOKE ENERGY株式会社資料より株式会社リョーサン作成)

2.太陽光発電の課題

 太陽光発電は、再生可能エネルギーの代表格として広がりを見せていますが、刻々と変化する電力需要とのバランスから課題もあります。

日照による発電量の変動

 太陽光発電パネルは、日中に太陽光を利用して電力を発生しますが、夜間には発電ができません。日中の発電量も天候次第の日照量に左右されるため、電力需要に追従した発電はできず、安定した電力供給の保証が困難です。

電力網からの出力制御要請

 太陽光発電で得た電力を、電力会社に売電するビジネスも一般化しています。しかし太陽光発電が増え続けた結果、真夏日などの日照がよいタイミングでは、出力制御要請を受けるケースが増えています。出力制御要請とは、電力の需給バランス調整や配電網の電力容量の観点から、売電ができない状況を示します。

太陽光発電に対する出力制御量の推移
(TAOKE ENERGY株式会社資料より株式会社リョーサン作成)

 出力制御要請が出ている場合、太陽光発電による電力を捨ててしまう他なく、せっかくの再生可能エネルギーを有効活用できません。

3.蓄電池による課題解決と付加価値

 従来、電気エネルギーは蓄えることが難しいエネルギーでしたが、近年の蓄電池の性能向上によって大容量の電気を溜めて使うことがリーズナブルに実現できるようになりました。

太陽光発電と蓄電池の併用システム

 太陽光発電パネルと蓄電池を組み合わせて使用することを考えてみましょう。晴天の日中には、太陽光パネルが最も多く発電するため、工場内での自家消費に加えて余剰電力を蓄電池に貯められます。貯めた電力は、太陽光パネルが発電できない曇天や夜間に使用できます。
 出力制御要請時には、発電した電力を捨てることなく蓄電池に貯めることが可能になります。そして必要なタイミングで、自家消費したり売電することができます。

 太陽光発電パネルと蓄電池との併用は、上記でご説明した課題解決に留まらず、新たなメリットももたらします。

エネルギーコストの削減

 蓄電池を利用することで、太陽光による発電電力の自家消費率を高められます。自家消費率の向上は電力会社から購入する電力量の削減につながり、エネルギー調達コストを抑えることができます。

非常時対応

 畜電池に電力を備えていれば、停電や災害時にも一定の電力供給が可能です。工場におけるBCP対策のひとつと言えるでしょう。

4.蓄電池導入を後押しする制度

 太陽光発電パネルと蓄電池の併用は、国内の政策的にも推進されています。利用することができる補助金や報奨金の制度をご紹介します。

設置時の補助金制度

 再生可能エネルギーやエネルギー効率向上の促進を目的にしたもので、政府や地方自治体による補助金制度が設けられています。制度の詳細は地域などによって異なりますので、事前に条件や手続きを確認しましょう。

デマンドレスポンス報奨金

 電力の需要状況に合わせて、需要者側が使用する電力量を調整する行為を「デマンドレスポンス」と呼んでいます。電力需要が大きくなり供給が間に合わない恐れがある際、需要者が使用量を抑えることで得られる報奨金です。需要者が使用量を抑える方法の1つとして、自らの蓄電池の電力を利用する方法があります。
 デマンドレスポンスに関するサービスの詳細は、本記事の最後に資料を掲載しておりますので、ぜひご覧ください。

デマンドレスポンスの概要(出典:Sassor社資料)

5.まとめ

 太陽光発電の課題に対して、蓄電池を用いて解決する方法をご紹介しました。2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、弊社では蓄電池でお客様の課題を解決する活動を行っております。下記ダウンロード資料に、蓄電池の用途やデマンドレスポンスサービスについてご案内しておりますので、ぜひご参照ください。

(執筆者:宇根当人、小林賢司 編集者:大内崇臣)

 



 

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