省エネ法改正をキッカケにした電気代削減策

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  • 更新日
  • 2023.10.02
  • 公開日
  • 2023.09.22

 省エネ法改正により、これまで以上のエネルギー使用の合理化が求められるとともに、エネルギー使用状況報告・省エネに対する取り組みの見直し/改善計画策定が必要となります。
 本記事では、エネルギーの中でも特に電気に焦点を当てて、使用量効率化・電気料金削減に対する取り組み方法を解説します。

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資源エネルギー庁 省エネポータルサイトより引用

 

1. 省エネ法改正により企業に求められること

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 2023年4月から施行されている改正省エネ法では、主に以下の3点に取り組む必要があります。

  1. 再生可能エネルギーも含めた全てのエネルギーの効率化
  2. 再生可能エネルギーを使用する割合の向上
  3. 再生可能エネルギーの発電量による使用電力の調整

 具体的には以下の取り組みを行う事になります。

  1. 節電・省エネの実施
  2. 再生可能エネルギー由来の電気への切り替え
  3. デマンドコントロールシステムの導入

 その中でも、高騰する電気料金のピークデマンド料金を抑制し、短期的な効果も期待できる施策の一つとしてデマンドコントロールシステムの導入に注目が集まっています。特に、電力の使用状況を正確に把握する「電力の見える化」は不可欠となります。

2. 製造業での使用電力の分解

 製造業におけるエネルギーの内訳を見てみます。
 下図は、資源エネルギー庁が公表している業務他部門のエネルギー源別消費量です。年々消費エネルギー自体は削減されているにも関わらず、電力消費量は横ばいとなっており、2021年度時点で電力が消費エネルギーの57%を占めています。このことより、節電がエネルギー消費を抑えるために効果的であることが分かります。

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【第212-1-10】業務他部門エネルギー源別消費原単位の推移
出典:資源エネルギー庁 エネルギー白書2023
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一般的な工場における年間の平均電気消費量の割合
出典:資源エネルギー庁 事業者向け省エネ・節電メニュー

 また、資源エネルギー庁が発表した一般的な工場における年間の平均電気消費量の割合では、工場の電気消費量の8割以上を占めるのが「生産設備」で、「空調設備」「照明器具」が続いています。工場を節電するためには、これらを対策する必要があります。

 

3. 製造業での節電・省エネの対策方法

 工場における節電・省エネの対策方法として以下の方法があります。

3-1. 電力見える化

  • 電力見える化とは?

 工場や事業所における電力使用状況/消費量を工場運営者/管理者がリアルタイムで把握し、効率的なエネルギー管理を行うための手法です。

  • なぜ見える化が重要なのか?

 具体的なデータとして消費電力を提示することで、生産プロセスや設備運用を最適化し、省エネ化やコスト削減の実現に役立ちます。また、継続して運用することで長期的な改善策の実施・検討がしやすくなります。

  • 電力見える化のポイント
  1. 製造ライン・装置単位で見る

 工場全体の電力使用量を見るだけでなく、製造ラインや装置ごとのデータを分析することで、特定の装置が電力を大量に消費しているなど詳細な問題点を発見することが出来ます。

  1. 常時監視を行う

 リアルタイムで機器・設備の電力消費データを収集・分析することで、電力消費のパターンやピーク時の消費量などが把握でき、消費電力削減の検討につなげることが出来ます。また、通常の電力消費パターンからの逸脱を検知することで、異常動作や故障兆候の早期発見、装置トラブルの防止が可能となります。 

  1. 有効電力で見る

 消費電力は有効電力と無効電力で構成されています。有効電力は電気エネルギーの中で実際に機器の動作や照明などの用途で利用される電力のことを指し、無効電力は何も仕事をせず負荷と交流電源の間を往復しているだけの電力で、負荷では消費されない電力です。
 無効電力が多い機器は力率の改善により消費電力(皮相電力)を削減することが出来ます。簡易的な電力計では皮相電力しか確認出来ない為、有効電力/無効電力を知ることは、節電、さらには電気料金の計算において重要な要素となります。


3-2. デマンドコントロールによるピークカット

  • デマンドコントロールとは?

 デマンドコントロールは、電力の使用パターンを計画的に管理・制御する手法のことです。電力の需要と供給とのバランスを保つため、電力需要がピーク時に急激に上昇することを防ぎ、電力供給を効率的かつ安定して行うための取り組みです。

  • 電気代の仕組み

 電気料金は、「基本料金」と「従量料金」、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の3つで構成されます。 

基本料金: ある期間内での最大電力使用量(ピーク電力)に基づく固定料金。
ピーク電力(契約電力)が高ければ高いほど基本料金も増えます。
高圧電力の場合、年間の最大需要電力により、~500kWは従量制、500kW~協議制となります。
従量料金: 実際に消費した電気の量に応じて計算される料金。
使用量と連動するので、効率的な電気使用が求められます。

 実量制とは、直近12か月間における一番高い30分間、いわゆる「最大需要電力(デマンド値)」で基本料金を決定する方法です。電力会社は下記の図のように毎月30分間のうち最も高い電力量を計測しています。基本料金は1年のうちの最も電力を使用した30分間の平均電力で決定されるので、この決定基準を下げる事が有効です。

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  • ピークカット制御と節電制御

 ピークカット制御とは、一定期間内の最大電力使用量を削減することを指します。前項の通り、ピーク時の消費電力が高いと基本料金も高くなるため、電力需要のピークを低減することで、基本料金の削減が期待できます。
 節電制御とは、使用料金を下げるために電力使用の最適化と効果的な管理を行うことです。ピーク時には電力供給を増やすために追加コストがかかることがあるため、できるだけピーク時に電力を多く使用しないようにすることが重要です。

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4. まとめ

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 改正省エネ法、電力料金高騰への対策として事業者向け電力使用量・電力料金の削減方法を解説しましたが、如何でしたでしょうか?
 まずは、電力会社との契約内容を確認すると共に、自社の電力使用量・使用状況を把握することから始める必要があります。電力の使用状況が確認出来ましたら、分析と対策の検討を行うこととなります。今回は手始めとして「電力見える化ソリューション」と「空調向け省エネシステム」の資料をご確認いただき、エネルギー使用合理化の一助としていただきたいと思います。
 掲載されている内容/事例以外でも機器構成、設置方法など不明点・お困り事など御座いましたら、お気軽にお問い合わせください。

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