協働ロボット導入の検討ポイント
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- 更新日
- 2023.09.27
- 公開日
- 2023.07.21
INDEX
1. 事前に検討するべきポイント3点
1-1. 最適な作業・工程の見極め
協働ロボットには安全柵を必要とせず人と同じ空間での協働/協調作業という利点があります。一方で「専用機」、「産業用ロボット」、「人手作業」のすき間で協働ロボットをどこに活かすかを見極めることは簡単ではありません。
作業者の周辺で行われる反復的な作業や人間1人分を代替するのではなく、待ちが多い作業(例:旋盤機にワークをセットして加工を待つ)を代替するという発想で考えることが重要になります。人間の作業量として、1人では作業量が多いが2人では作業量が少ない、つまり0.5人分の作業を見つけることが協働ロボット活躍の場を明確化するポイントになります。
1-2. 協働ロボットの運用体制構築
協働ロボットは産業用ロボットの「同品種・大量生産」と異なり「多品種・少量生産」を対象に導入されるケースが多くあります。裏を返せば、品種毎に作業を教えるティーチングが必要であり、自社内で協働ロボットの運用体制を構築する必要があります。運用するための専任者が必要という悩みを持たれるかもしれませんが、ロボットに不慣れな方でも操作できるように、プログラミング技術が不要で直感的な操作が可能なユーザーインターフェースが準備されているため、まずは実際の協働ロボットを触ってみることをお勧めします。その他にも自社内で構築することのメリットとして、ロボットの動きの無駄を見つけて、都度ティーチングで動きを改善できることが挙げられます。弊社ラボでも実際に協働ロボットを体験いただくことが可能です。
1-3. 投資対効果の算出
協働ロボットを導入する際によくご相談をいただくのが投資対効果の算出です。投資の回収は10年くらい見ないといけないのでは?と思われがちですが、労働生産性の向上効果や生産量増加・品質安定化の効果を踏まえると、3~5年程度で投資回収できる事例も存在します。
また、協働ロボットには「柔軟な再配置が可能」という特長があるので、ある製品の製造を中止した場合でも新たな製品や別の作業に転用できるため、投資が眠りにくいという利点もあります。
出典:経済産業省「ロボット活用の基礎知識」をもとに作成
2. 協働ロボット導入後に困らないためには?
事前検討を重ねてきたのに導入過程や導入後に予想外のことが起こるケースも考えられます。今回は押さえておくべき3点をピックアップしましたので、問題が起こらないように事前に確認していきましょう。
2-1. 気づいたら想定以上の導入費用に!?
展示会などで「協働ロボットは300万円程度で購入できる」と聞きロボット導入を決断したが、自社製造ラインへの導入時には想定以上のコストが発生した、という苦い経験談も耳にします。製造ラインで協働ロボットが活躍するためにはロボット本体だけでなくロボットハンドなどの周辺機器の購入や、システムインテグレーション作業の費用が必要になります。そのため、ロボット導入時の全体コストイメージを把握しておくことは重要です。
弊社アプリケーションパッケージ(特定用途向けロボット・周辺機器・プログラムのパッケージ)を利用頂くことで先に述べた課題を解決することができます。
出典:経済産業省「ロボット活用の基礎知識」をもとに作成
2-2. トラブル発生時の問い合わせ先は確認しておきましょう!
ロボットも機械であるため故障リスクはゼロではありません。故障時に迅速・明確な対応が可能なロボットメーカーを選択すること、故障時の対応をロボット購入元やロボットSIer(ロボットの導入をサポートする専門業者)と事前に整合しておくことが大事です。
例えば、故障時に直ぐに連絡できる窓口があるか?対応スピードに加えて故障原因・対策内容などの説明があるか?などが挙げられます。尚、協働ロボットは「柔軟な再配置が可能」という特長を活かし、ロボット故障時に人間へ作業を代替することで、不慮の事態でも生産を継続することが可能となります。
2-3. 導入後の作業の横展開、機能UPをしたくなった場合は?
協働ロボットの「柔軟な再配置が可能」という特長を活かし、ある作業Aに導入した協働ロボットを別作業Bへ転用したいというケースが考えられます。この場合、ロボット本体は流用可能ですがロボットハンドやカメラなどの周辺機器は変更または追加で準備が必要なケースがしばしばあります。そのため、各ロボットメーカーの「周辺機器との連携性」を把握しておくことをお勧めします。
3. まとめ
今回は、協働ロボット導入にあたり押さえておくべきことについて見てきました。協働ロボット単体の機能や価格が注目されがちですが、今回ご紹介した故障時の対応や周辺機器との連携性などの特徴を把握しておくことは、投資対効果を高め、長くかつ安定したロボット運用に繋がりますので是非ご検討ください。
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