【国内トップシェアメーカインタビュー】お客様によりそう電源開発とご支援
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- 更新日
- 2023.11.22
- 公開日
- 2023.10.20
製品の根幹となる、電源はやはり国内メーカーが安心。
日本で約20年間トップシェアを誇るコーセルの特徴と今後の製品開発ビジョンを聞いてきました。
コーセル株式会社 執行役員 開発統括
兼 新製品開発一部 部長
廣川 芳通 様
INDEX
会社概要
コーセル株式会社
事業内容
電子機器、電機機械器具の製造および販売
今回お話を伺った方
コーセル株式会社 執行役員 開発統括 兼 新製品開発一部 部長
廣川 芳通 様
1. 国内トップシェアのそのワケと3つのポイント
- 開発者の割合と製品開発への携わり方
- 信頼のサービス提供とマイナーチェンジ対応
- 製品開発における工夫
1-1. 開発者の割合と携わり方
ーーー 国内トップシェアの理由について順番にお伺いしても宜しいでしょうか?まずは“開発者の割合と携わり方”に関してお願いします。
廣川様 はい、お客様のニーズ・トレンド、そういったものを常に捉えまして、長年製品開発してきています。 開発者は全体の約4割を占めており、多くのお客様に営業の者だけでなく我々エンジニアが共にサポートをさせていただいています。そういったところがトップシェアを維持しているポイントではないかと思っています。
ーーー ありがとうございます。日頃から私たちリョーサンも開発の方とお客様をご支援させていただいておりますが、エンジニアの皆様が全体の約4割と言うのは、エレクトロニクス業界においてもかなり多い部類になると思います。
ーーー 例えば、1製品例に挙げると、LHAとかラインナップの幅も広いような製品だと、人数も多くなってくるようなイメージなのでしょうか。
廣川様 そうですね。一つの電力に対して人数は2~3名と小さいかもしれないですけれども、大きなシリーズで電力が多くなってくるとそれに応じて人も増えていく感じですね。
1-2. 信頼のサービス提供とマイナーチェンジ対応
ーーー 続きまして、“信頼のサービス提供とマイナーチェンジ対応”に関して教えていただけますでしょうか?
廣川様 お客様のニーズを捉える製品開発を心掛けております。製品仕様とか機能だけではなく、使い方で分からないところなど細かなビフォアサービスと、何かあった場合に備えてアフターサービスを出来るような部署にも力を入れながら、コーセル製品を選んでいただけるように取り組んでおります。
もう一つコーセルの大事な特長としてはマイナーチェンジですね。お客様毎に色々要望がありますので、お客様の痒いところに手が届くような製品開発も合わせてやっております。
ーーー マイナーチェンジは普段コーセル様と一緒に電源を販売させていただく私たちから見ても、お客様から非常にメリットと感じていただいている認識です。
廣川様 我々技術者が同行訪問と言う形で、営業さんやディーラーさんと一緒にお客様のところに一緒に足を運んで、実際に面談をしていろいろ話を聞くと言うことを、昔から多く続けております。技術者だからこその気付きもありますので、技術者がお客様のところに足を運んで色々お話を伺うと言うのは非常に大事なことだと考えております。
ーーー ありがとうございます。私もお客様に「コーセルの技術者が来られるのであればこういう話したいな」と言っていただくこともあるので、一緒に動いていただけると言うのはありがたいなと思っております。
1-3. 製品開発における工夫
ーーー 続きまして、“製品開発における工夫”と言うことで、トップシェアの企業として製品開発で気を付けていること、工夫されていることを教えてください。
廣川様 トップシェアだからということで自負して、何かそれに対して意識していると言うことはございません。
ーーー 廣川様の一番思い出のある製品と言いますか、製品開発はございますか?
廣川様 そうですね。一番記憶に残っているのは御社と一緒にやったプロジェクトではあるんですけども、通信業界に向けてですねCHSシリーズと言う開発を致しました。
当時私はリーダーとして携わっておりまして、週1回くらい、本当にお客様のところに足を運んでシリーズ開発しました。お客様、御社と一緒に開発したCHSシリーズに対しては大変思い入れがあります。
2. 安定供給に対する取り組み
コロナ禍の半導体入手難対応と取り組みの変化
ーーー ここ近年のコロナ禍での話になりますが、コロナ禍で半導体の供給難がございました。部品選定で気を付けていることはありますか?
廣川様 代わりの部品を見つけることも大変ですが、それを評価して使える目途がたっても、今度はその部品の納期が長期化していたり、お客様に部品変更の了解を貰わないといけませんから、部品変更は簡単なことではありません。 変更業務を主とする部署があるのですが、そのメンバーだけでは足りなくて、部門をまたいでリソースを確保しながら乗り越えてきたのが実情です。
ーーー 普段そういった業務でない方々にも支えられて乗り越えられたのですね。 そこまでとは想像にも及びませんでした。
廣川様 そうですね。 表面では納期が悪いだとか、そういった結果でしか見えてこないと思うんですけども、裏では苦労している状況です。 今回のことを経験しまして、代替部品はもちろん、代替工場、代替材料まで意識するようになりました。同じような失敗をなるべく起こさないように努力していきたいと思っております。
3. 環境配慮の取り組み
製品開発におけるSDGs
ーーー 今後の製品開発に関するご質問となります。貴社の方針として、SDGsへの取り組みと言うところを公表されておりますが、製品の開発において気を付けていることを教えてください。
廣川様 私たち電源メーカーとしましては、やはり「変換効率を高めて電気の損失を減らす」ところを使命と言う風に考えておりますので、製品の効率向上は継続してずっと取り組みを行っております。後は環境に配慮した材料を選定すると言うところも、きちんとやっていかなければいけないところだと認識を持っておりますので、そういったところも合わせて取り組みとして進めております。
ーーー 実際に昨今、お客様からSDGsへの取り組みに関する協力依頼といったところはありますか?
廣川様 ユーザー様の方からSDGsの取り組みに関する協力依頼といった形では、まだそういった話は多くないと言う認識であります。ただ、製品を選択いただく、我々の製品を選んでいただくと言う中では、やはり高効率だとか、待機電力を減らす、そういったところで要求仕様としては出てきておりますので、まだ検討段階だと言う認識であります。
4. 今後への抱負
ーーー それでは最後になりますが、今後リョーサンとやっていきたいことなどございますか?
廣川様 先程、当社の強みとしてお話ししました通り、お客様の方に技術者が訪問いたしまして色々お話を伺って、こういう製品がいいのではないかだとか、こういったマイナーチェンジをすることでお客様にとって価値が生じるのではないかと言うところで、いろいろな提案をやっていきたいと考えています。そういった意味では、製品に関してお客様のご要望を聞くといったところを御社と一緒にやっていきたいと考えておりますし、これだけ変化の激しい時代になってきておりますので、その変化をきちんと捉えられるように御社と一緒に市場開拓していきたいと考えております。
ーーー ありがとうございます。弊社としましても、一緒に市場開拓して新たなお客様に満足していただけるような取り組みを行っていきたいと思っております。何卒宜しくお願いいたします。