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テスラ「サイバートラック」から見る技術トレンド

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  • 更新日
  • 公開日
  • 2025.01.27

 2023年に登場したテスラの「サイバートラック(Cybertruck)」。Model 3(販売時期: 2017年7月)とサイバートラック(販売時期: 2023年12月)を比較すると6年間でシステムを構成しているコンポートが大幅に進化しています。本記事では、そのサイバートラックの進化について見ていきます。

1. Power Conversion System(PCS)の比較

 サイバートラックでは、車の充電や車載電装系への電力供給を担うPCS(Power Conversion System)が大幅に進化し、Model 3と比べるとPCSの重量が11kgから5.5kgへと約半分に軽量化されています。

  • Model 3

    重量:11kg

  • サイバートラック

    重量:5.5kg

 また、内部を見ると、Model 3は一般的な回路で構成されていますが、サイバートラックはPFC回路で使用される電解コンデンサは見当たらず、非常にすっきりとした電源となっています。電源などで製品寿命のボトルネックとなる電解コンデンサをどのようにして無くしたのか?非常に興味深い電源に進化しています。

  • Model 3

  • サイバートラック

2. Tesla 車載アーキテクチャの進化

Model S から Model 3

 少し話は変わりますが、Model S(2012年にリリース)からModel 3にかけては、共に12Vのアーキテクチャでありながら大幅に進化しています。

(出所:Tesla)
Model S Model 3
低電圧システム 12Vシステム 12Vシステム
補助バッテリ 蓄電池(初期)→リチウムイオン リチウムイオン
配線総長 約3,000m 約1,500m
配線の複雑さ 複雑 シンプル

電源システムの進化(12V→48V)

 サイバートラックは、次世代の設計思想を反映したテスラの新型車両であり、従来の12Vシステムではなく48Vシステムが採用されています。

(出所:Tesla)

  • 48V電装システムは、電流を削減しながら高電力機器に対応可能。
  • ケーブル重量を軽減し、電力損失を最小化。
  • 高負荷の電装品(例:エアサスペンション、エアコンプレッサ、パワフルなライトバーなど)に効率的に電力を供給。


車載アーキテクチャの電力量

(出所:Tesla)

 車載電装システムの電力量は利便性の向上と共に増加しています。サイバートラックのPCSは48Vに対応しており、48Vアーキテクチャは今後の車載システムのトレンドの一つになると思われます。

 もしかしたら、テスラは既に次の世代を描いているのかもしれません。次世代がどの様に変化するか非常に楽しみです。

(出所:Tesla)

 

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