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【LPWA入門】電波法やセキュリティ、無線導入における不安の解消

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  • 更新日
  • 2024.02.05
  • 公開日
  • 2023.09.08

 無線導入時につまずくポイントとして“電波法・無線機器認証取得” 、“セキュリティ対応” 、“通信安定性確保” の3つが挙げられます。
 本記事では、各ポイントの概要を説明します。

1. 電波法の認証取得

 電波法とは、国ごとに設けられている電波を発する製品に対する法規制です。
 無線局の開設や特定無線設備について様々な規定があり、使用するチャンネルや送信出力、無線機の技術基準などルールが定められています。
 日本の電波法で定められた基準に適合している無線機器は「技適(技術基準適合証明) マーク」が付いています。 既に認証取得済みのモジュールを最終製品に組み込む場合、アンテナ等を含み一切変更を加えなければ、基本的に製品としては再度認証を取得する必要はないとされています。

各国電波法まとめ

 簡単に各国の電波法に関してまとめました。申請時の参考にしてください。
 認証取得に関してお困りの際は、お気軽にご相談下さい。 

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画像をクリックすると拡大表示します。

2. セキュリティ対応

 主要なLPWAでは下表のようなセキュリティ対策が規定されています。 

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画像をクリックすると拡大表示します。

 機器製造者は上記の各規格を満たすとともに、各国でネットワーク機器・無線通信機器に要求しているセキュリティ仕様にも対応する必要があります。

3. 通信安定性

 安定した無線通信を行うには以下のポイントが重要となります。

1. 適切な通信方式の選択

 無線通信と言っても複数の規格があり、規格毎に特徴があります。
 LPWAに絞っても、以下のような項目を確認して適切な通信方式を選択する必要が有ります。

      • 移動体通信 or 固定通信
      • 設置環境に合わせた無線周波数と通信距離
      • 通信量に合わせた通信速度

     こちらの記事でLPWAの通信規格を解説していますので、合わせてご覧ください。

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    【基礎】LPWAの通信規格と特徴比較

2. アンテナ設計

 アンテナの設計と位置は信号の品質に大きく影響します。 可能な限り障害物から離れ、信号の伝播を阻害しない場所に最適なアンテナを配置することが重要です。  アンテナ設計のポイントは下記3点です。

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①アンテナ選択
 アンテナには様々な形状と種類があり、それぞれ特性が異なります。 例えば、指向性が強いパラボラアンテナや全方向性のダイポールアンテナなどがあります。 設計者はアプリケーションの要件に基づいて最適なアンテナタイプを選択する必要があります。
 アンテナは特定の周波数帯域で最も良好に動作します。 この領域外では性能が劣化する可能性があります。 したがって、設計時には対象とする周波数帯域を正確に定義する必要があります。

②アンテナ配置
 アンテナの位置は信号品質と受信範囲に大きく影響します。 建物内部や他の物体からの障害物、地形、アンテナ間の距離などを考慮しなければなりません。

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③インピーダンスのマッチング
 アンテナとトランスミッター間のインピーダンスが一致していないと、信号の反射が生じ、電力の損失や信号の歪みが発生します。 したがって、インピーダンスのマッチングは重要な設計要素となります。

 

3. ノイズ対策

  •  他の電子デバイスや電源からのノイズや干渉は、無線通信の品質を低下させる可能性があります。これらを最小限に抑えるための適切な対策が必要です。

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    EMIについて- 第1回 - EMIの基礎

 

4. 出力制御

 送信出力を適切に制御することで、必要な範囲内で信号品質を保つことができます。また、適切な出力制御は電池寿命の延長にも寄与します。

4. まとめ

 LPWA入門として無線製品開発時につまづくポイントを簡単に解説しました。
 出荷先が増えるとセキュリティ対応、認証取得も煩雑になります。製品企画段階で出荷先ごとで必要となる対応方法・期間を纏めておくことで、開発段階での手戻りが削減できるでしょう。

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