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IoT向け無線規格を一覧で比較!用途別にわかる最適な通信方式の選び方

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  • 更新日
  • 2026.03.09
  • 公開日
  • 2023.09.15

 産業機器分野でも無線化を導入する流れが進んでいます。特に近年は工場や設備の IoT 化が加速し、「どの無線規格を使うべきか」という点がこれまで以上に重要になってきました。IoT 機器は用途によって求められる通信距離・消費電力・通信の安定性が大きく異なるため、無線規格ごとの特長を理解して選定する必要があります。
 本記事では無線規格の「種類と特徴比較」に加えて、「活用シーン別の選び方」もわかりやすく説明します。

1. 無線化のメリットと無線規格の選定ポイント

無線化のメリット

 IoTにより様々なモノが無線で繋がっている時代です。一般的には有線から無線に変えることで下記のようなメリットがあります。

  1. 配線不要で設置が簡単になり、配線コストが削減できる
  2. スッキリした見た目で製品のデザイン性がUPする
  3. 移動や増設がしやすく、レイアウトの変更が容易となる

無線規格を選ぶ前に押さえておきたい「4つの選定ポイント」

 無線化を進める上で、「どの無線規格を選ぶべきか」は非常に重要です。無線規格は特性が大きく異なるため、まず以下のポイントを整理すると最適な規格が見えやすくなります。

  1. 使用用途は何か?通信相手はどのような機器か?
  2. 通信距離、範囲はどれぐらいか?
  3. 通信したいデータサイズはどの程度か?
  4. 通信速度や消費電力はどれぐらいか?

無線化ニーズと期待する効果

 各活用シーンでの用途、期待する効果、通信規格を見ていきましょう。

活用シーン 活用用途 効果 通信規格
工場
  • 稼働率管理
  • 故障予知管理
  • ロボット制御
  • 見える化による問題箇所の改善
  • データ収集による保守メンテの最適化
  • 遠隔制御による作業者の安全性向上
  • Wi-Fi、Bluetooth
  • Wi-Fi、Bluetooth
  • 5G
防犯、見守り
  • 危険地域や遠隔の監視
  • 保守メンテの最適化
  • 作業効率化
  • LPWA、5G、LTE
  • LPWA、5G、LTE
作業現場
  • 現地業務支援
  • 災害地域での遠隔操作
  • 作業員の健康管理
  • 作業効率と正確性の向上
  • 遠隔制御による作業者の安全性向上
  • バイタル情報収集による作業者の安全性向上
  • 5G、LTE
  • 5G
  • LPWA
倉庫
  • 荷物トラッキング
  • AGVトラッキング
  • 紛失防止・作業効率化
  • ロボットの位置把握と移動経路の最適化
  • UWB、Bluetooth
  • UWB、Bluetooth
物流
  • 荷物トラッキング
  • 盗難・紛失防止・作業効率化
  • 検査工程の自動化、省人化
  • LPWA、5G、LTE
  • LPWA、5G、LTE

2. 無線規格の種類と特徴

 無線規格にはWi-Fi、Bluetoothなどを含む多くの種類が存在します。各規格によって周波数、速度、距離等が異っており、用途によって使い分けられています。下図は横軸を通信距離、縦軸を通信速度・消費電力で表したもので、右にいくほど通信距離が長く、上にいくほど 通信速度が速くなります。

画像をクリックすると拡大表示します。


3. 各無線規格の特徴

Bluetoothとは

 Bluetooth SIG(Special Interest Group)が定めた無線技術です。
 最長100m程度の通信で、ヘッドセットやPC周辺機器等、様々なデバイスに搭載されています。

 Bluetooth1.0のバージョンが誕生したのは1999年で、その後バージョンアップを重ね、2023年にBluetooth5.4が発表されています。

 version 3.x ・・・ 最大通信速度を24MbpsとなるHigh Speed(HS)機能が追加

 version 4.x ・・・ 大幅な省電力化されたLow Energy(LE)機能が追加

 version 5.x ・・・ 方向検知機能、LE Audio規格の追加

ZigBeeとは

 Connectivity Standards Alliance(CSA)旧Zigbee Allianceが仕様策定を行う無線技術です。

 概ね30m程度の通信で、消費電力が低いのが特長です。メッシュ型のネットワーク構成をサポートしており、中継機(ルータ)を設置することにより、直接電波の届かない機器とも通信出来ます。

 1つのネットワークに理論的には最大65,538台が接続可能です。

Wi-Fiとは

 Wi-Fi Allianceが策定したIEEE802.11規格を使用した無線技術です。

 概ね100m以内の通信で、スマートフォンやタブレット、家電、ゲーム機、その他様々なネットワーク機器で広く普及しています。

 使用する周波数帯や最大速度など、いくつかの規格に分類されます。

名称 規格名 速度(理論値) 周波数
Wi-Fi 6 IEEE802.11ax 9.6Gbps 2.4/5GHz
Wi-Fi 5 IEEE802.11ac 9.6Gbps 5GHz
Wi-Fi 4 IEEE802.11n 600Mbps 2.4/5GHz
- IEEE802.11g 54Mbps 2.4GHz
- IEEE802.11a 54Mbps 5GHz
- IEEE802.11b 11Mbps 2.4GHz

LPWA(Low Power Area Network)とは

 数100m~数km以上の長距離かつ低消費電力な無線通信技術の総称です。

 LPWAには、大手通信事業者が運営する基地局を使用したセルラー系LPWAと、無線局免許が不要な周波数帯を利用したノンセルラ系LPWAがあります。

 ノンセルラ系LPWAの多くは920MHz(Sub-GHz帯)を使用しており、回折性能がよく障害物の影響を受けにくいといった特長もあります。

 IoT分野で幅広く使用されており、森林や農場、水上などの人が立ち入りづらい場所でのモニタリング利用や、ガス水道などのインフラ管理といった用途でも利用されています。

LTEとは

 LTE(Long-Term Evolution)は3Gの後継として開発された無線通信技術です。4Gとも呼ばれますが、厳密には3.9Gで4Gへの移行過程の通信規格です。LTEの主な特長は高速なデータ通信、低遅延、そして高い帯域効率です。最大で数百Mbpsのダウンロード速度と数十Mbpsのアップロード速度が実現可能であるため、高品質な動画ストリーミング、ソーシャルメディア、クラウドベースのサービスなどに利用されています。また、低遅延でリアルタイム通信にも十分対応しています。LTEは現在、スマートフォンやタブレットなど多くのデバイスで広く利用されており、5Gの普及に伴い、補完的な役割も担っています。

5Gとは

 5G(第5世代移動通信システム)は、4Gの後継として開発された無線通信技術です。主に以下の特長を持ち、スマートシティ、産業オートメーション、エンターテイメントなど、多様な用途での利用が期待されています。

  • 超高速通信 :数Gbpsでの通信が可能なため、映像や大容量データの通信が可能
  • 超低遅延通信:リアルタイム通信や自動運転、遠隔医療などに有用
  • 多数同時接続:多くのデバイスが同時に効率よくネットワークに接続可能

4. まとめ

 本記事では、主要な無線規格の特長と、産業分野における活用シーンをご紹介しました。無線規格は Wi‑Fi や Bluetooth のような身近なものから、LPWA、LTE/5G といった産業用途で力を発揮するものまで多岐にわたります。
 無線化のメリットは「配線削減によるコストダウン」だけではなく、遠隔監視や設備の見える化、作業者の安全性向上など、業務の効率化・高度化に直結する効果をもたらします。
 適切な通信方式を選ぶことは、無線化の成功を左右する重要なポイントです。用途と規格の特長を理解し、最適な組み合わせを選択することで、無線化の価値を最大限に引き出すことができます。

 無線導入時につまずきやすいポイントである「電波法」、「セキュリティ」、「通信安定性」について知りたい方はこちらの記事も参照下さい。

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